名刺を作るときに最初に悩むのが「縦型」「横型」どちらの向きにするかということだと思います。
結論からいうと、名刺の向きについては好きな向きで構いません。
また、世の中の主流としては圧倒的に横型の名刺が多いです。それは何故でしょうか?
今回は縦型名刺・横型名刺のそれぞれのメリット・デメリットを解説いたします。
1328枚の名刺を分析。名刺の縦型と横型の比率は?
私が現在保管している名刺を調べて見ました。その数664枚!(大変でした…)。
結果、
- 縦型の名刺:252枚(約19%)
- 横型の名刺:1076枚(約81%)
ということになりました。横型、人気!
今と違って、昔はほとんど「縦型」の名刺しか使われていなかったそうです。記載されている内容も【会社名】【名前】【役職】【固定電話・住所などの連絡先】という極めて基本的な情報のみ。
それが今では、上記内容に加えて【ロゴマーク】【WEBサイトURL】【携帯電話】【メールアドレス】【QRコード】【LINEやFacebookのSNSアカウント】など文字の長い情報を掲載することが格段に増えました。
このことが、横型の名刺が世の中に増えてきた原因だと考えられます。
縦型名刺のメリット
縦型の名刺は少ないので目立つ
上記で解説したように、今の世の中の名刺は81%が横型です。縦型の名刺は珍しいので、それだけでお客様に渡した時に「珍しい形ですね」と認識していただける可能性があります。
「他の人の名刺と、とにかく差別化して目立ちたい」と考えられている方にとっては、名刺の向きを縦型にするのがベストかもしれません。
余談ですが、名刺を調べていて「デザイナーなどのクリエイター職の方の名刺は縦型が多い」という印象です。思い返すと、私も独立したばかりの頃は、確かに縦型の名刺を使っていました。
活版印刷で文字を凸凹にしたり、紙質にこだわったりしていましたが、全然ダメですね。この名刺では仕事に繋がりません。
年配の方は縦型名刺に親しみがある
一昔前までは縦型が主流だったため、歴史ある企業の社長様や役員の方は縦型の名刺の方が親しみがあると思います。このような「少し年配の経営者様」に対する営業活動を中心で考えられている方は、縦型の名刺だとそれがきっかけで会話が生まれるかもしれませんね。
和の雰囲気を伝えたい場合は特に効果的
日本語は本来、縦書きで表現されていたものですので、そういった点では旅館や老舗料亭、着物など日本の伝統を扱うようなお店の場合は縦型名刺にすることで和=日本らしさの雰囲気を伝えやすいのでオススメです。
縦型名刺のデメリット
URLなどのアルファベットの表記が読みにくい
日本語は縦でも読みやすいのですが、ホームページのURLやメールアドレス、SNSアカウント情報などのアルファベット表記は縦書きにしてしまうと非常に読みにくいです。
名刺の形だけ縦型にして、文字は横文字にするという方法もありますが、その場合スペースが限られてしまいますので文字が小さくなってしまったりURLの途中で改行しないといけないかもしれません。
写真を入れにくい
縦型の名刺だとレイアウトの自由度を制限されてしまい(スペースが限られる)、プロフィール写真やイメージ写真を入れるのも少し工夫が必要です。横型名刺に比べて写真のスペースは小さくなってしまう傾向があります。
名刺の管理に手間がかかる
一般的な名刺の保管ファイルは「横型の名刺」を保管することを前提で作られています。
ですので、そのファイルに縦型の名刺を保管すると、名刺の情報を知りたい時にファイルを回転させて読んでいただく必要があります。他の名刺に比べて見にくくなってしまいますので、少し不親切になってしまいます。
デザイン(書体)に気をつけないと古臭い印象を与えてしまう
縦型の名刺=昔からある名刺なので、使用するデザイン(書体)に気をつけないと「古臭い印象」を与えてしまいます。ITなどの最先端の仕事をしているのに、名刺のデザインに古風な書体を使用してしまうと最先端の仕事という印象は持っていただけないでしょう。
横型名刺のメリット
情報をたくさん入れられる
横方向にスペースがたくさんあるので、ホームページやメールアドレス、SNSアカウント情報のURLなど、アルファベット表記の情報をたくさん入れることができます。最近の名刺ではこれらの情報を表記するのは必須事項なので、情報を整理して綺麗に入れられる横型名刺は非常に魅力的です。
写真を入れやすい
名刺には必ずプロフィール写真を入れるようにお伝えさせていただいていますが、横型名刺だとこのような写真も綺麗に入れることができます。右側のスペースにプロフィール写真を載せても、左側にもまだ充分なスペースがありますので様々な情報を入れやすいです。
縦型の名刺に比べて写真も大きく載せることが可能です。
名刺の管理が楽
一般的な名刺ファイルは横型の名刺を保存することを前提に作られていますので、受け取った方も保管や情報を見返す時のストレスがありません。
横型名刺のデメリット
他の名刺に埋もれやすい
お伝えしているように、現在は横型の名刺がほとんど(全体の81%)ですので、デザインや色味などで個性を出さなければ埋もれてしまう可能性があります。
あなたの会社のイメージカラーを背景に使用したり、プロフィール写真などを載せるようにして他の名刺と差別化することを意識しましょう。
個人的な感想
今回、名刺を分析するために1328枚の名刺を改めて見返して見ましたが、私個人としては「縦型名刺」「横型名刺」どちらの向きでもあまり関係なく、名刺に何を載せるかがとても大切だと実感しました。
会社名や役職・名前・連絡先などの基本的な情報しか載っていない名刺よりも、プロフィール写真や会社の強み・起業の思い・プライベートな情報などが載っている名刺の方が、圧倒的に印象に残りますし「また連絡してみたい」と思いました。
名刺の向きや書体、デザインにこだわることももちろん大切ですが、それ以上に
「名刺を受け取った方に何を伝えたいか」をしっかりと考えてから制作に取り掛かるようにしましょう。
縦型名刺・横型名刺で悩まれているあなたにアドバイスさせていただくとすれば、私はプロフィール写真やURLなどの情報が載せやすい横型の名刺をオススメします。